ニキビに対する
イソトレチノイン(自費)
ニキビは主に毛穴のつまりなどが原因でできてきます。(詳しいにきびのでき方についてはこちら)
イソトレチノインとは
ニキビの内服薬のひとつにイソトレチノインというものがあります。イソトレチノインはビタミンA誘導体の一種で、ターンオーバーを促す作用、皮脂の分泌自体を抑える作用、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用をもっているため、ほかの治療では効果を示さないような重症のニキビに対して選ばれることがあります。ターンオーバーを促すことで毛穴の閉塞を防ぎ、皮脂の分泌自体が抑えられると皮脂がたまりにくくなるので炎症も起こしにくくなり、さらにアクネ菌が増えるのを防ぐ、と重症ニキビの方にとって救世主のような扱いを受けることもあります。詳しく説明していきます。
商品名
イソトレチノインの商品名はアキュテイン、ロアキュタン、イソトロイン、アクネトレントなど複数あり、いずれも同じイソトレチノインを主成分とする薬です。
イソトレチノインの効果
- 皮脂の分泌抑制: イソトレチノインは、皮脂腺の活動を抑制し、皮脂の過剰分泌を防ぐことで毛穴の詰まりを軽減します。
- 抗炎症作用: 炎症を抑える効果があり、炎症性のにきびの発生を減らします。
- ターンオーバーの促進: 毛穴が詰まりにくくなり、にきびの原因となる皮膚の角化異常を改善します。
イソトレチノインの副作用
イソトレチノインは強力な効果がある反面、副作用が多く出ます。主な副作用として以下が挙げられます。
1. 乾燥: 唇や皮膚、眼、鼻腔が乾燥しやすくなります。ほぼ全員に起こります。副作用というか作用そのものでもあります。
2. 皮膚の感受性UP: 肌が敏感になり、赤みや皮膚剥けが起こりやすくなります。
3. 肝機能障害: 長期間使用すると肝臓に負担がかかる可能性があります。
4. うつ症状や気分の変動: まれですが、イソトレチノインを服用している一部の患者で、精神的な副作用が報告されています。
5. 胎児奇形のリスク: イソトレチノインは強い催奇形性があるため、妊娠中の使用は厳禁です。妊娠を防ぐために男性は使用中・使用後1か月、女性は使用前1か月・使用中・終了後1ヶ月間は厳重な避妊が求められます。
使用継続にあたっての注意
- 乾燥についてはしっかり保湿をすることで乗り切れる方が多いです。アトピー性皮膚炎やもともと敏感肌・乾燥肌の方は真っ赤になってしまったりかさかさが強く出すぎることがあり、その場合はすみやかに受診してください。
- イソトレチノインの服用中は、定期的な血液検査で肝機能や脂質の値を確認する必要があります。
- 紫外線対策を徹底し、日焼け止めを使用することが推奨されます。特に脱毛レーザーなどを過剰に禁止する風潮にありますが、文献では基本的には禁止しなくてよいと報告されています。
- 避妊: 男性は使用中・使用後1か月、女性は使用前1か月・使用中・終了後1ヶ月間は妊娠を避ける必要があります。
併用できない薬
・テトラサイクリン系の抗生剤(ビブラマイシンやミノマイシンなど)
・飲み始めの時期、増量したばかりの時期はピーリング系の洗顔料やピーリング剤(AHA、BHA、レチノール、トレチノイン、ディフェリン、アダパレン、ベピオ、エピデュオなど)の使用は控えてください。
保険診療でのにきび治療薬とイソトレチノインの位置づけ
日本では保険診療では処方できない薬ですが、海外では重症のニキビ治療に有効な薬剤として認知され、広く使われています。
ここでいう重症ニキビとはターンオーバーを促すピーリング製剤を1か月以上塗っていても全く効果がなかったり、抗生剤や漢方の内服などをしても改善しないようなニキビのことをいいます。
保険診療で使用されるベピオやデイフェリン、アダパレン、デュアック、エピデュオなどのピーリング製剤は顔などニキビのあるところだけに塗るので副作用も局所的です。しかしイソトレチノインは内服すると全身に効果があるため、副作用が体の皮膚や目、唇の乾燥など全身に及びます。なので、アトピー性皮膚炎がある方やもともと乾燥肌であったり敏感肌の方はいろいろな部分が赤くなってしまったりかさかさがつよくなってしまったりすることがあります。自己判断で用量を上げたり、保湿を怠らないようにしましょう。
現在のところニキビの薬には副作用の全くない効果的な夢のような薬がないのが現状です。保湿をしっかりしたり、用法や用量を減らしたりするなどで副作用をコントロールしつつ、ニキビを悪化させずニキビができにくい肌質を目指していくというのが目標になります。
用法用量・継続期間
重症ニキビが続いている方には半年ほどの長期使用がおすすめです。半年使い続けると、3〜5年はニキビが作られにくくなることがわかっています。
2~6か月間、1日1~2回食後内服を続けます。特に開始時は10㎎などの低用量から開始し、副作用の強さをみて、体重に合わせて増量することが多いです。もちろん急いでいるかたや、以前20㎎以上内服して問題なかったなどの方ははじめから20㎎処方することもあります。半年使い続けて、さらに2クール目の内服を希望される方は少なくとも2か月間の休薬期間が必要です。
また、短期使用もおすすめの場合があります。たとえば、美容業界やアパレル業界の就職の面接前、結婚式前、舞台出演前などに大変喜ばれた経験があります。ただし面接の数日前や結婚式直前に初めて開始するのはおすすめできません。副作用が強かった場合、真っ赤になったりカサカサで化粧ノリがすごく悪くなったりすることがあります。初めて使用する場合は2か月前くらいに開始するのが目安です。
つるつる肌は1日にしてならず!まずは自分にあう薬やケア方法を見つけ、数か月続けてみる、これが大事です。自費診療にはなりますがイソトレチノインに興味がある方はお気軽に相談ください。
海外と日本のニキビ治療ガイドラインの比較や外用剤比較などこちらで詳しく説明しているのでご興味があるかたはこちら→にきび治療詳しいバージョン
料金
イソトレチノイン 10㎎ 1か月分 | 11000円 |
学割 イソトレチノイン 10㎎ 1か月分 | 9900円 |
イソトレチノイン 20mg 1か月分 | 15400円 |
学割 イソトレチノイン 20㎎ 1か月分 | 13200円 |
血液検査 (肝機能、腎機能、 中性脂肪) | 3850円 |
診察料 | 初診3300円 再診1100円 |
※オプション 保湿剤(ヒルドイド) | 1200円 |
オンライン診察 の場合 通話料・ システム利用料 として | +1100円 |
オンライン診察 配送希望の場合 配送料として | +1100円 |
予約
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※未成年者のオンライン診察はおこなっておりません。未成年の方は保護者と同伴でクリニックへ直接おこしください。保護者同伴できないときは事前に未成年同意書に保護者の直筆サインをもらって持参ください。