プロトピック軟膏・タクロリムス軟膏
🧴 プロトピック軟膏(タクロリムス)による治療について
プロトピック軟膏は、タクロリムスを有効成分とする免疫抑制外用薬で、アトピー性皮膚炎の治療に用いられています。ステロイドとは異なる作用機序を持ち、長期使用による皮膚萎縮などの副作用が少ない点が特徴です。
🧬 プロトピックの作用機序
プロトピックは、皮膚の免疫細胞(Tリンパ球)の過剰な働きを抑えることで、アトピー性皮膚炎における炎症やかゆみを軽減します。炎症性サイトカインの放出を制御することで、症状の改善が期待されます。
塗った後にぴりぴりすることがありますが、それは知覚神経に作用して、かゆみの元となる物質が大量に放出されるためです。プロトピック軟膏を塗り続けると、刺激やかゆみの元となる物質がすべて放出され、また刺激やかゆみに慣れてしまいます。
そのため使い初めた当初だけ刺激感が感じられ、その後徐々に刺激感が減っていきます。
また、分子量が大きいので、効くべきところには効いて、よくなった皮膚やもともと正常な皮膚にはほとんど吸収されないのでステロイド外用剤ほど塗りすぎを心配しなくてよい点も安心です。
📌 プロトピックの特徴
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🔬 免疫抑制作用:T細胞の活性化を抑え、慢性的な炎症を制御
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🧴 外用薬:1日1〜2回、患部に適量を塗布
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📉 副作用が少ない:ステロイドのような皮膚萎縮、血管拡張、色素沈着が起こりにくい
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👶 年齢に応じた濃度:
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16歳以上:0.1%製剤
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2歳〜15歳:0.03%製剤
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💡 顔や首などの皮膚の薄い部位にも使いやすい
- 🌸分子量が大きいのでステロイドと違い炎症を起こしていない部分に塗布しても吸収されない:湿疹や炎症が起こっているなどのバリア機能が弱っているところからは吸収されますが、正常なバリア機能が働いている皮膚からはほとんど吸収されません。
- 🦠マラセチア菌などの静菌作用があるので、マラセチア毛包炎、マラセチアで増悪するざ瘡などを悪くさせにくい
- ヘパリン類似物質と混合しても配合変化がおこらないので使用しやすい
⚠️ 注意点
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塗布後にピリピリ・チクチクとした刺激感を感じることがありますが、数日で慣れることが多いです
- 入浴時やお風呂上りなど体温が上昇した状態に塗ると刺激感が強くなることがあります。保湿剤を先塗りしたり、塗った後に冷やしたりすると刺激感を抑えることができます。
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感染を起こしている部位には使用しないでください
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紫外線(太陽光)による影響を受けやすいため、使用部位は帽子や日焼け止めを塗るなど遮光をしてください。
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販売当初、プロトピック軟膏を使用した患者さんでリンパ腫・皮膚がんが認められたとの報告がありましたが、近年、プロトピック軟膏を使用しても一般の人の発症率と変わらないということが報告されましたのでご安心ください。
💰 費用について
プロトピックは保険適用のある薬剤です。
先発品プロトピック軟膏(0.1%)は1gあたり58.4円、小児用プロトピック軟膏(0.03%)は1gあたり72.6円、後発品のタクロリムス軟膏(0.1%)は1gあたりの薬価29-36円。
5gチューブや10gチューブなどの剤形があります。こちらは10割負担の方のお値段となりますのでここから1割負担、3割負担の方はお安くなります。
📏 塗布量の目安(FTU:フィンガーチップユニット)
FTU(フィンガーチップユニット)とは、チューブから大人の人差し指の第一関節分を押し出した薬の量で、約0.5gに相当します。その量で成人の手のひらの2枚分の面積に塗るのが適正な量となります。
以下が目安です:
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顔や首:2.5 FTU(約1.25g)
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片腕:3 FTU(約1.5g)
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片脚:6 FTU(約3g)
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胴体(前面):7FTU(約3.5g)
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胴体(背面):7FTU(約3.5g)
※面積が多い場合は混合して処方されることも多いお薬です。症状や患部の面積に応じて、医師の指示に従ってください。
🩺 このような方におすすめ
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ステロイドの副作用が心配な方
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顔などのデリケートな部位に外用したい方
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長期間の外用治療を継続しなければ炎症をくりかえす方
💬 よくあるご質問(Q&A)
Q1. ステロイドと併用できますか? A. 併用が必要な場合もありますが、使用方法や部位については患者さんごとに異なります。医師の指示に従ってください。
Q2. どれくらいで効果が出ますか? A. 一般的には数日〜数週間でかゆみや赤みの改善が見られます。ただし、個人差があります。
Q3. 妊娠中・授乳中でも使えますか? A. 使用の可否は医師の判断によります。自己判断で使用を中止・開始せず、ご相談ください。
Q4. 使用中に日焼けしても大丈夫ですか? A. 基本的には大きな問題はありませんが、長時間の日光曝露は避ける方が望ましいです。炎症を起こしているところに日光暴露されると炎症後色素沈着が強く残りますので、そもそも湿疹病変に長時間の日光暴露は避けたほうがよいです。
Q5. 市販されていますか? A. プロトピック(タクロリムス)は医師の処方が必要な処方薬です。市販はされていません。
🗨 患者さんごとに適した外用薬をご提案します。
アトピー性皮膚炎の症状や部位、年齢などに応じて、医師が最適なお薬を選択いたします。気になることがあれば、なないろ皮ふ科西宮にいつでもご相談ください。
