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ステロイド外用薬 塗り薬

ランク 強さの分類 主な商品名(一般名) 使用される部位・症状の例
Ⅰ群 ストロンゲスト(最も強い) デルモベート(クロベタゾールプロピオン酸エステル)、ジフラール・ダイアコート(ジフロラゾン酢酸エステル) 厚い皮膚の部分(手・足・かかとなど)、難治性の湿疹や皮膚炎
Ⅱ群 ベリーストロング(とても強い) マイザー・スチブロン(ジフルプレドナート)、アンテベート・サレックス(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)、リンデロンDP(ベタメタゾンプロピオン酸エステル)、フルメタ(フルオシノニド)、トプシム(フルオシノニド)、フルメタ(モメタゾンフランカルボン酸エステル) 手足の湿疹、慢性的な炎症が強い場合
Ⅲ群 ストロング(強い) ボアラ(ジフルコルトロン吉草酸エステル)、リンデロンV(ベタメタゾン吉草酸エステル)、メサデルム(デキサメタゾンプロピオン酸エステル)、エクラー(デプロドンプロピオン酸エステル)、フルコート(フルオシノロンアセトニド)、プロパデルム(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル) 腕や脚などの中等度の皮膚炎、アトピーの再燃期など
Ⅳ群 ミディアム(中程度) キンダベート(クロベタゾン酪酸エステル)、ロコイド(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)、リドメックス(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、アルメタ(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル) 顔、首、わき、陰部など皮膚の薄い部分、軽度の皮膚炎
Ⅴ群 ウィーク(弱い) プレドニゾロン(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)など 赤ちゃんの肌、顔まわり、軽い湿疹、予防的な使用

 

 

ステロイド外用薬は、効果の強さ(ランク)によって使い分ける必要があります。以下に、当院でよく処方する薬剤を中心に、ランクごとの使い方の目安をご説明いたします。

【1】弱め(ミディアムクラス):ロコイドなど

使用部位の例:
・大人の顔や首、陰部・外陰部など皮膚の薄い部分
・お子さまの顔や体など、皮膚がデリケートな部位に一時的に使用

皮膚のバリアが弱い部位に使うことが多く、炎症が軽度な場合に適しています。長期使用は避け、必要最小限の期間で治療します。


【2】中等度〜やや強め(ストロング):ボアラやリンデロンVなど

使用部位の例:
・成人の体幹部や四肢に広がった湿疹・かゆみ・赤み
・急性から慢性へ移行しつつある皮膚炎

比較的広範囲の赤みやかゆみに対応しますが、皮膚が分厚くなってきたような「慢性化した皮膚(苔癬化:たいせんか)」にはやや効果が弱いことがあります。


【3】強め(ベリーストロング):アンテベートなど

使用部位の例:
・成人の体の皮膚炎が長引き、赤みやかゆみが強く、盛り上がりが見られる場合
・お子さまでも、虫刺されなどで大きく腫れた部位に一時的に使用することがあります

慢性化して皮膚が厚くなった部分に適しており、しっかりとした抗炎症効果が期待できます。


【4】非常に強い(ストロンゲスト):デルモベートなど

使用部位の例:
・結節性痒疹(かゆくてブツブツと盛り上がるしつこい湿疹)
・ケロイドなど、硬くて治りにくい皮膚症状

非常に強い効果があるため、使用部位と期間は厳密に管理する必要があります。顔や陰部などのデリケートな部位には使用しません。


■ 形状(剤型)の使い分けについて

ステロイド外用薬には、軟膏・クリーム・ローション・乳液・スプレー・テープなど、さまざまな形があります。症状や使用部位、季節などに応じて、医師が経験をもとに最適な剤型を選びます。

  • 軟膏:乾燥した部位や傷のある皮膚に適しています

  • クリーム:べたつきが少なく、日常的に使いやすい形状です

  • ローション・乳液:頭皮など毛のある部分に使いやすいタイプです

  • テープ剤(例:エクラープラスター):手のひらや足裏など、割れやすい部位や慢性化した痒疹に特に有効です


症状によっては、ランクだけでなく剤型の選択も治療効果を大きく左右します。ご不安な点があれば、お気軽に医師へご相談ください。

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