アトピー性皮膚炎の非ステロイド外用薬
アトピー性皮膚炎の外用薬シリーズ
非ステロイド外用薬について
~ステロイド以外の選択肢~
アトピー性皮膚炎の治療といえばステロイド外用薬が一般的ですが、近年ではステロイドを使わない「非ステロイド外用薬」も選択肢として広がっています。特に、皮膚の薄い部位(顔や首など)や長期使用に不安がある方、小さなお子さまにも安心して使える点が特徴です。
🧴主な非ステロイド外用薬の種類と特徴
~プロトピック・コレクチム・モイゼルト・ブイタマー 比較一覧~
製品名(一般名) | 主な作用 | 対象年齢 | 使用部位 | 特徴・注意点 |
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プロトピック軟膏(タクロリムス) | 免疫抑制作用により炎症を抑える(T細胞の働きを抑制) |
小児用:2歳以上(0.03%) 成人用:16歳以上(0.1%) |
顔含む全身 | 使用初期にヒリヒリ感が出ることがありますが、多くは数日で慣れます。長期使用による皮膚萎縮はなし。正常な皮膚には入っていかないので、予防効果として使う場合も安心 |
コレクチム軟膏(デルゴシチニブ) | JAK阻害作用により炎症シグナルをブロック | 生後6か月以上 | 顔含む全身 | 日本初のJAK阻害外用薬。幅広い年齢層に使用でき、刺激感が少なく使いやすい。 |
モイゼルト軟膏(ジファミラスト) | PDE4阻害作用で炎症性サイトカインの産生を抑制 | 生後3か月以上 | 顔含む全身比較的軽症部位 | 比較的マイルドな効き方で、軽度の皮疹や治療維持期に適しています。 |
ブイタマークリーム(タピナロフ) | AhR活性。炎症性サイトカインの発現を抑制 | 12歳以上 | 顔含む全身 | 2023年発売の新薬。かゆみを抑える作用にも優れ、刺激感も少なめ。尋常性乾癬に対してについてはこちら |
📌共通の注意点
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非ステロイドとはいえ、医師の指導のもとで正しく使うことが大切です。
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使用開始直後に刺激感や赤みが出ることがありますが、継続使用で軽減する場合が多いです。
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症状が強い場合は、ステロイドとの併用や段階的切り替えが必要なこともあります。
- ステロイドほど即効性はない場合があります。
🔍 非ステロイド薬はこんなときに使います
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🔥 顔や首など、ステロイドの長期使用が気になる部位に
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😌 ステロイドに抵抗がある患者さんへの初期治療に
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💡症状が落ち着いてきたあとの「つなぎ治療」に
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👶小児や乳児など、皮膚が敏感な年齢層に
- 👨⚕️ しっかり炎症を抑えたいがステロイドを避けたい場合に
ご相談は皮膚科専門医へ
当院では、非ステロイド薬を含むアトピー性皮膚炎の症状・年齢・ライフスタイルに合わせた治療の選択肢をご提案しています。
「ステロイドはなるべく使いたくない」「顔の湿疹に何を塗ればいいかわからない」など、不安や疑問がある方はお気軽にご相談ください。