ミチーガ(アトピー性皮膚炎)
💉ミチーガ(Mitchga)|かゆみに特化したアトピー性皮膚炎の新しい治療選択肢
「どうにもならないかゆみをすこしでもなんとかしたい…」
そんなお悩みに応えるのが、ミチーガ(一般名:ネモリズマブ)です。
ミチーガは、アトピー性皮膚炎の「かゆみ」を抑えることに特化した、生物学的製剤(抗体医薬)です。
従来の外用薬や内服薬でなかなか改善しなかった頑固なかゆみに対し、新たな選択肢として2022年に日本で登場しました。
🔬ミチーガの働き(作用メカニズム)
アトピー性皮膚炎の強いかゆみには、IL-31(インターロイキン31)という炎症性サイトカインが深く関わっています。
ミチーガの有効成分ネモリズマブは、このIL-31の受容体(IL-31受容体A)をブロックすることで、かゆみが起こる仕組みにストップをかけます。
つまり、「かゆみの発信源」を直接抑えることで、慢性的でつらいかゆみの軽減が期待できるお薬です。
👤ミチーガが適している方
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✔️ 6歳以上の中等症~重症のアトピー性皮膚炎の方
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✔️ かゆみによる睡眠障害・集中力低下・QOLの低下がある方
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✔️ 従来の治療ではかゆみの改善が不十分な方
特に、「かゆみがつらいけど、皮膚の赤みや炎症はそれほどでもない」「かきむしりが皮疹に比較してひどい」「アトピーと結節性痒疹を合併している」というタイプの患者さんにも適しています。
💉投与方法と治療スケジュール
ミチーガは皮下注射(皮下に注射するタイプ)で投与されます。
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最初・2回目の投与は医療機関で行います
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通常、4週間に1回のペースで定期的に注射を行います
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症状の変化に応じて、医師が投与間隔や継続可否を調整します
- 在宅自己注射も可能です。
🌟期待される効果
🔵 かゆみの大幅な軽減(夜間の睡眠も改善)
🔵 皮膚をかくことで起こる炎症や悪化の予防
🔵 精神的ストレスの軽減
🔵 他の外用薬・内服薬の使用量軽減も可能に
実際の効果には個人差がありますが、「かゆみが我慢できない」というお悩みを持つ多くの方にとって、大きな助けとなるお薬です。
⚠️副作用・注意点
ミチーガで報告されている主な副作用には以下のようなものがあります。
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感染症(鼻炎、のどの痛みなど)
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皮膚症状の一時的な悪化
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注射部位の赤み、腫れ、痛み
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過敏反応(まれですが注意が必要です)
また、以下のような方は投与前に医師と十分に相談する必要があります:
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🤰 妊娠中・授乳中の方
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💊 ステロイドや免疫抑制剤を内服中の方
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🧒 小児(6歳〜13歳)に使用する場合
🔄他の治療薬との違い
項目 | ミチーガ | デュピクセント | イブグリース |
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標的 | IL-31受容体A | IL-4・IL-13(炎症全体) | IL-13(炎症) |
主な特徴 | かゆみの軽減作用大 | 赤ちゃんでも使用できる | 医師の指示により注射間隔を皮疹のつよさに応じて早めたり延長することが可能 |
投与間隔 | 4週に1回 | 2週に1回 |
2-4週に1回(維持期) |
🩺当院での治療について
当院では、ミチーガを含めた最新の生物学的製剤による治療選択肢をご提案しています。
「かゆみがつらい」「夜眠れない」「かくのをやめられない」などの症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
患者さんの症状やライフスタイルに合わせて、最適な治療法を一緒に選んでいきましょう。