デュピクセント(アトピー性皮膚炎)
💉デュピクセントについて|アトピー性皮膚炎の新しい治療選択肢
デュピクセントは、中等症~重症のアトピー性皮膚炎に対して使用される注射タイプのお薬です。
これまでの治療で十分な効果が得られなかった方にとって、新たな選択肢となり得るお薬として注目されています。
🔬デュピクセントの働き(作用機序)
アトピー性皮膚炎の「かゆみ」や「炎症」には、IL-4とIL-13という炎症を引き起こす物質(サイトカイン)が深く関わっています。
デュピクセントは、これらの物質の働きをピンポイントで抑えることで、
✔️ 皮膚の赤みや湿疹の改善
✔️ 強いかゆみの緩和
など、症状の根本からアプローチしてくれます。
✅適応となる疾患
デュピクセントは、アトピー性皮膚炎だけでなく、他のアレルギー性疾患にも効果があることがわかっています。
現在、以下の病気に対して保険適応があります。
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アトピー性皮膚炎(中等症~重症)
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結節性痒疹(かゆみの強い硬い湿疹)
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特発性の慢性蕁麻疹
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気管支喘息(重症例)
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)
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鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎 など
✅年齢
- アトピー性皮膚炎:生後6か月以上~
- 特発性の慢性蕁麻疹:12歳以上~
- 結節性痒疹:15歳以上~
💉投与方法と通院について
デュピクセントは皮下注射で投与されます。
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初回と2回目は医療機関での投与が必要です
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その後、自己注射(在宅注射)も可能です
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成人アトピー性皮膚炎では通常2週に1回の投与となります。小児では体重によって投与量や投与間隔が異なります。
自己注射が可能なことで、通院の負担を減らしながら継続的な治療が可能になります。
🌟期待される効果
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かゆみの大幅な改善
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湿疹や赤みなど皮膚症状の軽減
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生活の質(QOL)の向上
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他のアレルギー疾患の症状緩和(適応がある場合)
これまでの治療でなかなか改善しなかった方でも、症状がコントロールできる可能性があります。
⚠️注意点と副作用について
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デュピクセントは高額なお薬(3割負担で1本16000円くらい)のため、高額療養費や付加給付制度などの様々な費用助成をうけることができる場合があります。薬剤費や医療費助成制度について詳しくはこちら
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注射部位の痛み、赤み、腫れ、発熱などの軽い副作用が出ることがあります
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結膜炎などの症状がみられることもあります
治療前には医師が適応の有無や副作用のリスクについて丁寧にご説明いたします。ご不安なことは遠慮なくご相談ください。
👨⚕️デュピクセントを検討される方へ
デュピクセントは、「アトピー性皮膚炎がつらいけど、今の治療では限界を感じる…」という方にとって、有効な選択肢となります。
当院では、患者さん一人ひとりの症状・生活スタイルに合わせたデュピクセント治療のご提案を行っております。
気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。