ほくろのくりぬき法 日帰り手術
ほくろのくりぬき法(パンチエクシジョン)とは、ほくろを除去するための手術方法の一つです。
専用のパンチ(円形のメス)を使用し、ほくろの根元から円形にくり抜いて除去する方法です。レーザーでは何度も再発するような深いほくろなどに向いている手術法となります。
くりぬき法の特徴
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適応するほくろ
- 大きさが 5mm以下 のほくろ
- 盛り上がっているほくろ
- 深く根を持つほくろ
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メリット
- ほくろの根元から完全に除去 できるため、再発しにくい
- 傷跡が 線状ではなく丸い ため、目立ちにくい
- 3mm以下の場合は縫合しないことが多く、抜糸の必要がない
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デメリット
- 直径5mm以上の大きなほくろには適さない
- クレーターになりやすい肌質の方などはくり抜いた部分が へこむことがある
- 傷跡が閉じるのは1-2週だが、完全に落ち着くまで 1〜3か月 かかる
施術の流れ
- 麻酔(局所麻酔を使用)
- 専用のパンチでほくろをくりぬく
- 止血処理 をしてガーゼやテープで保護
- 1週間程度自宅での処置を継続し、その後は自然治癒(大きさや部位によっては縫合することもあります)
ダウンタイム・アフターケア
- 治癒期間:1〜3か月
- 術後のケア
- 施術後 1週間程度は軟膏や絆創膏で保護
- 紫外線対策をしっかり行う(色素沈着を防ぐため)
- かさぶたを無理に剥がさない
くりぬき法と他のほくろ除去方法の比較
手術方法 | 特徴 | 傷跡 | 向いているほくろ |
---|---|---|---|
くりぬき法 (パンチ) |
根元から除去するため、 再発しにくい |
丸い傷跡 |
4mm以下のほくろ。隆起しているもの。 レーザーで再発しているもの。1回で確実に除去したいほくろ。 |
切開法 (メス) |
根元から除去するため、 再発しにくい。 縫合必須 |
線状の傷跡 |
大きなほくろ(5mm以上)。 病理検査で悪性かどうか判断するため保険診療での手術を ご提案させていただくことがございます。 |
レーザー除去 |
浅いほくろ向け (再発の可能性がある) |
傷跡が残りにくい | 平坦で小さいほくろ。 |
まとめ
ほくろのくりぬき法は、特に 盛り上がった小さめのほくろ に向いており、再発しにくいのがメリットです。
ただし、大きなほくろや深いものには向かず、傷跡がへこむ可能性があるため、診察にて適応を相談することが大切です。
ほくろ除去を考えている場合は、最適な方法を選ぶのが良いでしょう。
手術をご希望の方はまずは『一般皮膚科(保険診療)』にてご予約ください。(当日予約のみ)
当院での手術の特徴
治療実績:中村医師は粉瘤やほくろなどの手術について年間数百例の実績をお持ちです。同僚医師やスタッフにもよく執刀のご指名を受けておられました。
所要時間:手術時間自体は5~20分程度
手術方法のこだわり:部位や大きさ、再発歴などに応じて皮膚科専門医が切開法・くりぬき法、縫合を行うかどうかなど総合的に判断します。
費用:大きさと個数によります。保険診察での手術となりますと全国一律のお値段で3割負担なら手術代だけだと2-3cm未満であれば4000~6000円。病理検査代・診察料・処方箋料など含めると1万円台のことが多いです。
ダーモスコピーなどでの診察時にメラノーマや基底細胞がんなどの皮膚がんの可能性があると判断した場合、生検のみを行う場合もございます。
ほくろのある部位 | サイズ | 1割負担の場合 | 3割負担の場合 |
露出部(顔や腕など) | 2cm未満 | 2000円くらい | 5000-6000円くらい |
露出部以外(胸やおなかなど) | 3cm未満 | 1500円くらい | 4000-5000円くらい |
※手術をご希望の方は、手術の適応について術前診察が必要です。(患部の状況によっては当日手術となることもございます。)
まずは『一般皮膚科(保険診療)』にてご予約ください。(当日予約のみ)
<事前診察>
事前に問診・視診などをおこない、必要に応じてエコー、ダーモスコープなどの検査をおこないます。術前採血検査を行い、手術日の予約を行います。(平日14:00-15:15、土日13:15~13:45)
2-3mm程度のくりぬき法(縫合なし)の場合は即日手術となる場合もございます。
<手術日>
極力痛みが少なくなるように極細針で局所麻酔を行います。
痛みがなくなったことを確認してから、メスもしくはパンチ(円形メス)で皮膚を切開します。(切開法orくりぬき法)
切開部より、ほくろを取り除きます。止血を行ってから、閉創します。
傷の大きさや部位によって極細糸で縫う場合と、縫わない場合があります。(縫合orオープン)
手術の所要時間は5~20分程度がほとんどです。
術後は普通に歩いてご帰宅いただきます。
<術後>
術当日は手術終了から3時間以上あけてから入浴してください。
創部は湯舟にはつけず、泡立てた石鹸で優しく洗浄し、処方された薬を塗ってガーゼなどで保護してください。
指示された再診の日までその処置を継続してください。
糸で縫合した場合は1~2週間後に抜糸を行います。(痛みはほとんどありません)
テーピングを行うとより傷あとがきれいになりますので再診時にテーピングの指導なども行います。
手術についてよくあるご質問
その日に手術が出来ますか?
数mm大などであれば即日・日帰りの手術が可能です。基本的には事前診察・検査を行ってから手術予定を組み、予約日に手術にお越しいただきます。
粉瘤などほくろ以外も取れますか?
大きさや部位にもよりますが、粉瘤、ほくろ、脂肪腫、いぼなどのさまざまな皮膚腫瘍に対して局所麻酔で安全に可能な範囲ならば手術を行う事が出来ます。
同日に2つ以上の切除は可能ですか?
大きさや部位にもよりますが、2カ所以上の切除は可能です。近すぎると治る過程で引きつれを起こすことがありますので、近い部位は数か月以上あけてからの手術をおすすめしています。
手術後は学校生活や仕事に支障はありますか?普段と変わらない日常生活を送れますか?
基本的には普通の生活ができます。通学やオフィスワークについては通常問題ありません。
過度の飲酒や激しい運動は、出血の程度や部位・大きさにより数日間お控えいただくこともございます。
術後~1-2週間後までは湯舟、プール、海、温泉に創部をつけないようにしてください(シャワー洗浄はOK)
足の裏や指の手術の場合は日常生活に制限を行う場合がありますので、診察時に術後の生活制限について詳しくお話します。
※手術をご希望の方は、手術の適応について術前診察が必要です。(患部の状況によっては当日手術となることもございます。)