赤み
顔の赤みや赤ら顔、酒さなどは、肌に見られる一般的なトラブルで、さまざまな原因によって引き起こされます。以下に、その原因や治療法について説明します。
顔の赤みや赤ら顔の主な原因
1. 酒さ(しゅさ、rosacea)
- 酒さは慢性的な炎症性皮膚疾患で、顔の中心部(頬、鼻、額、あご)に赤みや血管拡張、膿疱が現れることがあります。原因はいまだ解明されておりませんが、炎症、遺伝などが関与していると考えられます。
2. 敏感肌
- 肌が刺激に敏感なため、化粧品、環境要因(紫外線、風、温度変化、湿度変化)に反応しやすく、顔に赤みが出やすくなります。乾燥や過度の摩擦も敏感肌を悪化させます。
3. アレルギーや接触性皮膚炎(かぶれ)
- 特定の化粧品やスキンケア製品に対するアレルギー反応や、接触性皮膚炎により顔に赤みが生じることがあります。
4. 脂漏性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い頭部や顔面に赤みやフケ、炎症が生じる状態です。皮脂の分泌のバランスが崩れると皮膚の常在菌であるマラセチアが増え、炎症を増悪させます。
5. 血管拡張
- 熱や寒さ、ストレス、アルコール、辛い食べ物などによって血管が拡張し、一時的に赤みが生じることがあります。
6. 炎症後の赤み
- にきびや外傷、手術痕など炎症を激しく起こした後に赤みがずっと残る場合があります。
赤みや赤ら顔の治療法
1. スキンケアの見直し
- 敏感肌用のスキンケア製品などを使用することが推奨されます。香料やアルコール成分を含まない製品を選び、刺激を避けることが重要です。
- 保湿が重要で、乾燥を防ぐことで赤みの悪化を防げます。ヒルドイドなどは血流促進作用があるため赤みがある人には刺激感がある場合がありますので自分の肌に合うものを使用しましょう。
2. レーザー治療
- 固定してしまった赤みや血管拡張の場合、レーザー治療(IPLやVビームレーザー)が効果的です。これにより、拡張した血管を収縮させ、赤みを軽減します。
3. 外用薬
- メトロニダゾール(ロゼックスゲル)やアゼライン酸を含む外用薬(AZAクリームなど)が、酒さや炎症を抑えるために使用されます。また、ビタミンC誘導体を含む製品も炎症を抑える効果があります。
4. 内服薬
- 酒さや炎症を伴う赤ら顔の場合、漢方の内服や抗生物質の長期内服、場合によってイソトレチノインなどの内服を医師の指導のもとで使用することがあります。
5. 生活習慣の見直し
- ストレス管理や、アルコール、辛い食べ物の摂取を控えることも、赤ら顔の改善に役立ちます。さらに、急激な温度変化を避けることも効果的です。
まとめ
顔の赤みや赤ら顔は、多くの原因によって引き起こされるため、正しい診断と治療が重要です。特に酒さや脂漏性皮膚炎などの特定の疾患が原因の場合、適切な治療法を選択することが大切で、こちらは保険診療で対応可能です。視診だけでは診断がつかないことも多く、治療をして効果のあるものをみつけていく診断的治療をおこなうこともあります。
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