酒さ
酒さとは
近年酒さという言葉が一般的になってきましたが、顔面の赤み=酒さではありません。
酒さは顔面(主に顔の真ん中の発赤)と血管拡張が数か月以上続く皮膚炎です。
分類
毛細血管拡張型酒さ(第1度酒さ)
酒さの初期症状で、一過性の顔の赤みやほてり感が主体で「赤ら顔」とも呼ばれます。
丘疹膿疱型酒さ(第2度酒皶、酒さ性痤瘡)
ニキビに似た赤いブツブツや膿疱(膿が溜まったような白~黄色のできもの)が主な症状です。
鼻瘤(第2度酒さ)
鼻部を中心とした腫瘤を形成します。圧倒的に男性に多く見られます。
原因
紫外線や精神的ストレス、飲酒、辛い物を食べたり、毛包虫ニキビダニ感染などの外的刺激に対する感受性が高まり、炎症や血管増生をきたすと考えられています。季節の変わり目など季節性に悪くなる方もいます。
治療
・ロゼックスゲルの外用
・ミノマイシンやビブラマイシンなど抗生剤の継続内服
・レチノールやアゼライン酸の外用
・固定してしまった血管拡張にはⅤビームレーザー
・漢方では喉の渇き感がある方には白虎加人参湯、ほてり感やホットフラッシュを伴う方には加味逍遙散
・イベルメクチンクリームの使用(自費診療)
ある報告では酒さの中で20%の人がアレルギー性接触皮膚炎を合併しているということで、今まで使用していた化粧品やシャンプー、ヘアカラーなどを見直す必要もあります。
なかなか治らない酒さは湿疹が合併していることも多く、その場合は表皮変化としての症状(かさかさやかゆみ)があることがあります。酒さがあっても一時的にステロイド外用(もしくはプロトピックやコレクチム、モイゼルト)をして湿疹治療を先行して行い、その後酒さとしての治療を行うことが有効な場合があります。
酒さでなかなか保険診療の薬で治らない中等症~重症型の丘疹膿疱型酒さ(赤いポツポツのある酒さ)には昔からメトロニダゾール外用薬(自費)が使用されることがありました。ロゼックスゲルの登場で日本でも保険診療で処方される薬となり、手に入れやすくなったと思います。イベルメクチンクリームはアメリカで2015年に承認、日本ではまだ未承認の自費治療ですが、メトロニダゾールより強力な治療効果があり、副作用もすくないと報告されています。(まれに副作用として赤み、乾燥、痒みなど)今までの治療で効果がない方はお試ししてみてください。
また、酒さがあるときは過敏性がUPしていますので低刺激性のスキンケアをえらんでください。
なかなか治らない赤みなどあれば気軽に相談してくださいね
塗り薬の料金
酒さ 塗り薬 | 量 | 価格 |
---|---|---|
ロゼックスゲル (メトロニダゾール) | 15g | 保険診療 3割負担で 440円くらい |
アゼライン酸 | 現在欠品中 | 自費診療 現在欠品中 |
レチノール | 現在欠品中 | 現在欠品中 |
イベルメクチン クリーム 1% | 30g | 3300円 |
当ページで紹介しているイベルメクチンクリームについて
未承認医薬品等
この治療で使用されるイベルメクチンクリームは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬です。
入手経度等
当院で使用しているイベルメクチンクリームは、個人輸入しております。
国内の承認医薬品の有無
イベルメクチンクリームは、国内においては承認されていません。
諸外国における安全性などに係る情報
米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)をはじめ、諸外国で承認されております。