ケミカルピーリング　

ピーリングの種類

日本でよく使用されるケミカルピーリングの薬剤はサリチル酸（BHA）、アルファヒドロキシ酸（AHA）、トリクロロ酢酸（TCA）などの３薬剤が主なものです。以下に当院で使用する薬剤について記載します。

サリチル酸マクロゴール（BHA）

サリチル酸マクロゴールによるケミカルピーリングは、余分な角層をはがすことで毛穴つまりによるにきびや、角栓つまりによるざらつき、化粧ノリの悪さ、くすみなどを改善します。油溶性なので、脂性肌でにきびができやすい方などに特におすすめです。またウエディングドレスを着る方などのために背中のにきびやニキビ跡を改善することもできます。

また薬剤は角層だけにとどまるので、角層をピールするだけかと思われがちですが、実は表皮の正常な分化なども促すので、ピーリングを行った直後に表面がつるっとするだけでなく、続けていると表皮のリモデリング機能がはたらきハリなどが出て若返り効果もあります。当院で用いるサリチル酸マクロゴールの濃度としては30％です。市販の洗顔料などに入っているものは0.数％なので効果発現の程度が全く違います。洗顔して10数分おいて流すだけなので一番簡単で安価、続けやすい施術なのでおすすめです。４週間に１回程度。

 

 

 

マッサージピール（コラーゲンピール）

高濃度トリクロロ酢酸（TCA）に低濃度過酸化水素、コウジ酸を配合した薬剤を使用します。肝斑の悪化を防ぐため当院ではマッサージはおこなわず通常のピーリング法（塗布のみ）でおこないます。メラニンを分解する作用や血行促進作用のある過酸化水素と、美白作用のあるコウジ酸を、トリクロロ酢酸により肌奥深くまで浸透させます。
高濃度TCAは表皮を痛めることなく真皮深層部まで浸透し、コラーゲンの生成を促進させる働きがありますので、ハリや小じわ、化粧ノリの悪さ、くすみを改善します。2~3週に１回程度。

 

リバースピール

マッサージピールで使用する薬剤に、肝斑や色素沈着に効果が期待できる成分をさらに追加したピーリングのことです。レーザー治療などでとりきれなかった肝斑や再発性の色素沈着におすすめします。３ステップのピーリング法になります。

最初に、マッサージピールの薬剤を使用し主に真皮層に働きかけます（上記マッサージピールの段落をお読みください）。次の段階で78％の高濃度乳酸を塗布します。高濃度乳酸は、表皮中層～深層のピーリングをおこなうことで肌の深部に存在するメラニンを除去します。また、高濃度乳酸に含まれているフィチン酸は鉄と結びついて、メラニンの生成を抑制する働きがあります。ミルクピールといわれたりします。市販のものの乳酸濃度は高くても10％程度なのでかなり効果が高いです。最後の段階で、肌のターンオーバーを正常化させるために、ヒドロキシ酸とフィチン酸を使用して肌表面である表皮浅層から中層のピーリングを行います。また、コウジ酸にはシミやくすみ、ニキビ跡の色素沈着などを改善する効果があり、さらなる美白効果がみこめます。最後に肝斑や色素沈着専用に作られたライトニングセラム（旧名称リバースセラム）を塗布して施術は終了となります。２週間に１回程度、肝斑に対しては５回１クールがおすすめです。

ライトニングセラムをホームケア用品として使用していただくのもおすすめです。