アフターピル
ピルとニキビ
アフターピル
当院では女性の権利、健康を守るためアフターピルの取り扱いを行っております。
よくある質問
- アフターピルは、正しく服用すればおよそ99%の避妊率があります。(ウリプリスタール)
- アフターピルを服用しても不妊になることはありません。
- アフターピルによる排卵の遅延・抑制効果は一時的なもので、効果が切れればもとの身体に戻ります。
- アフターピルは、乳房の張り、倦怠感や疲労感、眠気などの神経系障害、腹痛などの胃腸障害などの副作用が報告されておりますが、いずれも重篤な副作用はありません。
- アフターピルを入手するには、医師の診察が必要となります。健康保険は適用とならず、全額自費となります。
自費診療になりますので保険証の提示は不要で、保険証からわかる受診の履歴も残りません。
当院は女性医師による診察です。そして皮膚科の受診なので、婦人科受診よりもアクセスのハードルは低いと感じられやすいと思います。
こんな方に
- 妊娠を希望していないのに避妊せず性行為を行った
- 経口避妊薬(OC; Oral contraceptives;低用量ピル)を飲み忘れた
- 膣外射精のみの避妊法
- コンドームなどを含む避妊具の破損があった
- アクシデントはなかったものの妊娠していないか不安
- 性暴力を受けた
などにあてはまる方は相談してください。
取り扱い薬剤
当院ではウリプリスタール酢酸エステルを有効成分としたJOSEIというアフターピルを取り扱っております。(以前は同有効成分ウリプリスタル酢酸エステルのエラという薬が主流でしたが原産国トルコが輸入制限をしているため新規輸入が難しくなっています。2024年12月現在)
ウリプリスタール法は、日本では未承認薬ですが、海外では一般的なアフターピルとして使用されています。
選択的プロゲステロン受容体調節剤という位置づけで、緊急避妊薬の他に子宮筋腫や月経過多の治療にも多数用いられております。
有効成分
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ウリプリスタール酢酸エステル
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服用方法
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性交渉後、できるだけ早く1錠服用する
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避妊効果
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約99%の確率で妊娠を回避できる
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服用可能時間
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最長120時間以内
内服が早ければ早いほど効果が高い
72~120時間以内服用で約85%以上
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副作用
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レボノルゲストレル法と同様、副作用が少ない
まれに気分不快、嘔吐、不正出血、頭痛、めまい、疲労感、乳房緊満など。いずれも重篤な症状は報告されていません。
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この治療は、国内未承認医薬品を用います。治療に用いる医薬品は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
アフターピル | 数量 | 価格 |
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JOSEI (ウリプリスタル酢酸エステル) | 1錠 | ¥11000 |
診察料 | 初診料3300円 | 再診料1100円 |
オンライン診察 の場合 通話料・ システム利用料 として | +1100円 | |
オンライン診察 配送希望の場合 配送料として | +1100円 |
アフターピル処方希望の方は当日順番予約をお取りください。
ニキビとピル
低用量ピルはアメリカではベピオなどの外用治療とともに中等症以上のニキビにおいて選択肢の一つとしてガイドラインにも記載されています。
まず、ピルとは、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンがmixされた薬剤で、避妊目的(自費)、月経困難症や子宮内膜症への治療目的(保険)に分かれていますが、基本的に成分は同じものになります。
そもそも女性では、エストロゲンとプロゲステロンのホルモン量のバランスが1か月の間にダイナミックに変化します。かなりおおざっぱに言いますと、エストロゲンはニキビに良い方向へ、プロゲステロンは悪い方向へ働きます。生理前はプロゲステロンがぐっと多くなるためニキビができやすく悪化しやすくなりがちです。
そしてピルにも種類があり、第2世代のピルは男性ホルモン作用が強く、ニキビが悪化することがあります。第3・4世代のピルは男性ホルモン作用が弱いのでニキビ治療に向いているといわれています。皮膚科医としては、ニキビに悩んでいる方がピルを内服するならヤーズ、マーベロンがおすすめです。
生理不順がある、生理前にニキビが悪化する、20~30代になってからニキビが悪化し始めたなどの症状の方はピルを一度試してみてもいいかもしれません。
よく血栓の副作用について質問がありますが、ピル内服で血栓症のリスクはやや上昇します(1万人に3-9人)。しかし妊婦(1万人に5-20人)や分娩後の女性(1万人に40-65人)と比較するとかなり低く、血栓リスク(喫煙・高血圧・糖尿病・肥満・手術・体質)がない方であれば、メリットデメリットを検討したうえで、そこまで怖がる必要はないと思います。※ピル内服などのない女性の血栓症発症は1万人に1-5人です。
現時点ではイソトレチノイン同様、ピルも日本ではニキビに対しては保険適用ではありません。生理不順や月経困難症がある場合は保険診療となりますので婦人科受診をお勧めします。皮膚科ではまずは従来の保険診療でベピオなどのピーリング製剤の使用、抗生剤の使用などをしっかりと数か月間おこなったうえで、効果がない場合に検討してみてもいいと思います。
悩んでいる方はぜひ婦人科で相談してくださいね。