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慢性蕁麻疹の新しい治療薬「ラプシド®」

[2026.09.03]

ラプシド®について

 

抗ヒスタミン薬で十分に症状が抑えられない方へ

慢性蕁麻疹は、明らかな原因や誘因がないまま、かゆみを伴う膨疹(みみず腫れ)が繰り返し現れる病気です。

6週間以上症状が続く場合は「慢性蕁麻疹」と呼ばれ、かゆみや膨疹だけでなく、睡眠や仕事、日常生活にも大きな影響を及ぼすことがあります。

治療では、まず抗ヒスタミン薬(H1抗ヒスタミン薬)を使用します。しかし、抗ヒスタミン薬を使用しても症状が十分にコントロールできない患者さんも少なくありません。

このような患者さんに対して、これまでは抗ヒスタミン薬に加えて、生物学的製剤による治療などが行われてきました。

そして2026年6月、慢性蕁麻疹に対する新しい治療薬として「ラプシド®錠25mg」が承認されました。

 

ラプシド®とは?

ラプシド®の有効成分はレミブルチニブです。

これまでの抗ヒスタミン薬とは異なり、BTK(ブルトン型チロシンキナーゼ)阻害薬という新しいタイプの薬です。

蕁麻疹では、肥満細胞や好塩基球が活性化することで、ヒスタミンなどの炎症性物質が放出され、かゆみや膨疹が生じます。

ラプシド®は、これらの細胞の活性化に関わるBTKという酵素を阻害することで、ヒスタミンなどの炎症性メディエーターの放出を抑えるという、これまでとは異なる作用機序を持っています。

 

慢性蕁麻疹の治療に新しい選択肢

慢性蕁麻疹の治療では、まず抗ヒスタミン薬による治療を行います。

それでも十分な効果が得られない場合には、生物学的製剤による治療が選択肢となります。

ラプシド®は、これらとは異なる「経口BTK阻害薬」という新しい治療選択肢です。

特に注目されているのは、注射ではなく飲み薬であることです。

「抗ヒスタミン薬を飲んでいるけれど、まだ蕁麻疹が出る」
「夜もかゆくて眠れない」
「薬を飲んでも完全には症状が抑えられない」

といった慢性蕁麻疹の患者さんにとって、新たな治療の選択肢となることが期待されています。

 

 

どのような方が対象ですか?

ラプシド®の適応は、

「特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者さん)」

です。

つまり、明らかな原因や誘因が分からない慢性蕁麻疹で、これまでの治療では症状が十分にコントロールできない場合に使用が検討されます。

すべての蕁麻疹に使用できる薬ではありませんので、症状やこれまでの治療内容を確認したうえで、医師が適応を判断します。

 

 

服用方法

通常、成人では 1回25mgを1日2回 服用します。注射による治療ではなく、毎日服用する内服薬です。

 

効果について

第2世代H1抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られなかった特発性の慢性蕁麻疹患者さんを対象とした臨床試験では、ラプシド®を追加することで、蕁麻疹の活動性が改善しました。

また、比較的早期から効果が認められ、長期投与においても効果が維持されたことが報告されています。

ただし、効果には個人差があり、すべての患者さんに同じ効果が得られるわけではありません。

 

副作用・注意点

臨床試験では、下痢、頭痛、点状出血・紫斑、湿疹などの副作用が報告されています。

また、感染症などにも注意が必要です。治療開始前には、現在の症状や既往歴、服用中のお薬などを確認し、医師が治療の適否を判断します。

 

ラプシド®はいつから使える?

ラプシド®は2026年6月19日に国内で製造販売承認を取得しました。

一方、2026年9月現在、薬価収載および正式な発売日はまだ決まっていません。

薬価収載後、販売開始となれば、承認された適応の範囲で保険診療による治療が可能となる見込みです。

薬価や発売日が決まり次第、当院ホームページでもお知らせする予定です。

 

慢性蕁麻疹の治療に、新しい時代が始まります

慢性蕁麻疹に対しては、これまで抗ヒスタミン薬などの内服治療、そして十分な効果が得られない場合には生物学的製剤による注射治療などが行われてきました。

そこに今回、これまでとは異なる作用機序を持つ「BTK阻害薬」という新しいタイプの飲み薬が加わります。

「いろいろな薬を試してきたけれど、なかなか蕁麻疹を完全にコントロールできない」

今まで治療を続けても、なかなか蕁麻疹を完全にコントロールできなかった方にとって、新しい作用機序を持つラプシド®は、期待される治療選択肢の一つです。発売開始が待ちどおしい新薬ですね。

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