実は家の中でも老けている!?皮膚科医が教えるシミ・しわを防ぐ紫外線対策♬
「家の中なら日焼け止めはいらない?」皮膚科医が教える正しい紫外線対策
患者さん:「先生、毎年『日焼け止めを塗りましょう』と言われますが、本当にそこまで大切なんですか?」
先生:「とても大切です。日焼けは肌が黒くなるだけではありません。シミ・しわ・たるみの原因となる『光老化』の約8割は紫外線によるものと考えられています。将来のお肌を守るためにも、毎日の紫外線対策は欠かせません。」
紫外線には2種類あるって本当?
患者さん:「紫外線って全部同じじゃないんですか?」
先生:「実は大きく分けて『UVA』と『UVB』の2種類があります。」
UVBは肌の表面に作用し、日焼けで赤くなったり、シミやそばかすの原因になります。
一方、UVAは肌の奥の真皮まで届き、コラーゲンやエラスチンを壊してしまいます。その結果、しわやたるみなどの『光老化』を引き起こします。
家の中でも日焼け止めは必要?
患者さん:「家から出ない日は日焼け止めを塗らなくてもいいですよね?」
先生:「実は、それもよくある誤解です。UVAは窓ガラスを通り抜ける性質があるので、窓際で過ごしたり、在宅ワークをしたり、車を運転したりするだけでも紫外線を浴びています。」
患者さん:「家の中でも紫外線対策が必要なんですね!」
先生:「そうなんです。今日は外出しないからと油断せず、日中は日焼け止めを塗る習慣をつけることをおすすめします。もちろん、一日中カーテンを閉めた部屋で過ごす場合は過度に心配する必要はありませんが、自然光が入る環境では紫外線対策を意識すると、5年後、10年後のお肌に差が出ます。」
SPFやPAは高ければ高いほどいい?
患者さん:「日焼け止めはSPF50+を選べば安心ですか?」
先生:「必ずしもそうではありません。生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
実はSPF50とSPF30ですごく効果の差があるというわけではありません。SPFは紫外線(UVB)を防ぐ割合が徐々に頭打ちになるため、数値が高くなるほど差は小さくなります。
| SPF | UVBカット率(目安) |
|---|---|
| SPF15 | 約93% |
| SPF30 | 約97% |
| SPF50 | 約98% |
| SPF50+ | 約98%以上 |
つまり、
- SPF30 → 約97%カット
- SPF50 → 約98%カット
差は約1%程度です。」
患者さん:「えっ、1%しか違わないんですか?」
先生:「そうなんです。ただ、この1%は長時間屋外にいる方や、炎天下でスポーツ・レジャーをする方には意味があります。一方で、通勤や買い物程度ならSPF30前後でも十分な場合が多いです。」
日常生活なら…
- 通勤・通学
- 買い物
- 車での移動
- 家事や洗濯
- 在宅ワーク
このような生活であれば、SPF20~30・PA++~+++**でも十分なことが多いでしょう。
屋外レジャーなら…
- 海・プール
- ゴルフ
- キャンプ
- 登山
- 運動会
- 長時間のスポーツ観戦
このような場合はSPF50+・PA++++・耐水性のある製品がおすすめです。
日焼け止めは「2回塗り」がおすすめ?
患者さん:「日焼け止めって、一度しっかり塗れば十分ですか?」
先生:「実は、一度にたくさん塗るよりも、同じ量を2回に分けて重ね塗りする方法がおすすめです。」
日焼け止めのSPFやPAは、皮膚1cm²あたり2mgという十分な量を塗った状態で測定されています。しかし実際には、多くの方がその**半分程度(約1mg/cm²)しか塗れていないことが分かっています。
患者さん:「思ったより少なく塗ってしまっているんですね。」
先生:「そうなんです。一度に必要量を塗ろうとすると、ムラになったり、塗り残しができたりしやすいんです。」
そのため、同じ量を2回に分けて重ねて塗る(ダブルアプリケーション)法が推奨されています。研究では、この方法によって塗布量がSPF試験で用いられる量(約2mg/cm²)に近づき、本来期待される紫外線防御効果を得やすくなることが示されています。
患者さん:「2回塗るだけでいいんですね!」
先生:「はい。例えば顔なら、1回目で顔全体に薄くなじませ、その後もう一度同じ量を重ねるだけです。メイク前でも取り入れやすく、塗りムラを減らすことができます。」
紫外線吸収剤と散乱剤の違いは?
患者さん:「『紫外線吸収剤不使用』と書いてある商品を見かけます。吸収剤って肌に悪いんですか?」
先生:「どちらにもメリット・デメリットがあり、『どちらが絶対に良い』というものではありません。」
紫外線吸収剤
紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えて放出することで肌を守ります。
メリット
・白浮きしにくい
・みずみずしく伸びが良い
・メイクとの相性が良い
デメリット
・敏感肌の方では刺激を感じる場合があります。
紫外線散乱剤(ノンケミカル)
酸化亜鉛や酸化チタンなどのミネラル成分で、紫外線を反射・散乱させて肌を守ります。
メリット
・敏感肌やお子さんにも使いやすい製品が多い
デメリット
・製品によっては白浮きや乾燥を感じることがあります。
患者さん:「ノンケミカルなら絶対安心というわけではないんですね。」
先生:「その通りです。『ノンケミカル=すべての人に優しい』というわけではありません。肌質や使用感に合わせて選ぶことが大切です。」
ニキビやアトピーがあっても日焼け止めは必要?
患者さん:「ニキビができやすいので、日焼け止めを塗ると悪化しそうで心配です。」
先生:「そのような相談はとても多いですね。でも、ニキビがある方でも紫外線対策は大切です。」
紫外線は肌に炎症を起こし、ニキビ跡の色素沈着(茶色い跡)を悪化させることがあります。また、炎症後色素沈着が長引く原因にもなります。
そのため、ニキビ肌の方は
- 『ノンコメドジェニックテスト済み』(※ニキビができにくいことを確認する試験を実施した製品)
- オイル感が少ないジェルタイプや乳液タイプ
など、自分の肌に合った日焼け止めを選ぶことをおすすめします。(※「ノンコメドジェニックテスト済み」はすべての人にニキビができないことを保証するものではありません。)
アトピー性皮膚炎でも日焼け止めは塗った方がいい?
患者さん:「アトピーなので刺激にならないか心配です。」
先生:「アトピー性皮膚炎の方も紫外線対策は大切です。」
アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下しているため、紫外線による刺激を受けやすい状態です。一方で、肌に合わない日焼け止めでは刺激を感じることがあります。
そのため、
- 敏感肌向け
- 無香料・無着色
- アルコール(エタノール)が少ないもの
- 必要に応じて紫外線散乱剤(ノンケミカル)主体のもの
など、刺激の少ない製品を選ぶと使いやすいでしょう。
また、肌がひどく荒れているときは無理に塗らず、まずは保湿や炎症の治療を優先することもあります。
バリア機能が低下しているため、低刺激性の日焼け止めを使用し、必要に応じて衣服や帽子などの物理的遮光も併用することが推奨されています。
飲む日焼け止めって効果があるの?
患者さん:「飲む日焼け止めも気になっています。」
先生:「飲む日焼け止めは、塗る日焼け止めの代わりになるものではありません。
紫外線によって発生する活性酸素を抑え、肌へのダメージを軽減するサポートをしてくれるものです。
つまり、『塗る日焼け止め』を基本として、『飲む日焼け止め』をプラスするのがおすすめです。
当院ではソルプロプリュスホワイトサプリメントを取り扱っています。外回りが多い方やゴルフ・スポーツを楽しむ方にも人気があります。」
シミ治療をしている人こそ紫外線対策を
患者さん:「シミ治療をしている人も日焼け止めは大事ですか?」
先生:「むしろ、とても重要です。せっかくシミ治療やフォトフェイシャルなどを受けても、紫外線対策が不十分だと新しいシミができたり、再発したりすることがあります。
日焼け止めは美容治療の効果を維持するためにも欠かせません。」
今日から始められる紫外線対策
先生:「紫外線対策で一番大切なのは、高価な日焼け止めを使うことではありません。
・毎日塗る
・十分な量を塗る
・2~3時間ごとに塗り直す
・帽子や日傘も活用する
・必要に応じて飲む日焼け止めを取り入れる
この積み重ねが、5年後・10年後のお肌を守ってくれます。」
まとめ
紫外線は夏だけでなく、一年中降り注いでいます。さらに、UVAは窓ガラスを通り抜けるため、家の中や車内でも油断はできません。
また、紫外線吸収剤・紫外線散乱剤にはそれぞれ特徴があり、大切なのは「どちらが良いか」ではなく、自分の肌質や生活スタイルに合った日焼け止めを毎日続けて使うことです。
シミやしわを予防するためには、日々の紫外線対策が何よりも重要です。日焼け止め選びや飲む日焼け止め、シミ治療について気になることがあれば、お気軽に当院へご相談ください。
