イボの治療
イボを伴う疾患は多数あり、尋常性疣贅、脂漏性角化症、みずいぼ、アクロコルドン、青年性扁平疣贅、尖圭コンジローマなどがあります。
手足のイボ(尋常性疣贅)
足の裏のものは”たこ”や”うおのめ”と間違える方も多いのですが、パピローマウイルスによる感染症ですので、放っておくと拡がります。触っていると次々に感染して数も増えます。凍結療法(液体窒素でイボの下に水ぶくれを作る方法)を中心に治療します。いぼがすごく小さいうちなら1回でとれることもありますが、ほとんどの場合治療は数回かかります。痛みを伴う治療となりますが、お子様の場合は本人さんが頑張れる範囲で根気強くやっつけていきます。また30回以上液体窒素をしているのにとれない難治性の場合などは皮膚を腐食させる外用剤塗布(自費診療となります)も行っておりますので、希望の場合はおっしゃってください。
脂漏性角化症 老人性イボ(老人性疣贅)
加齢に伴って発症する良性の腫瘍で、紫外線や摩擦でさらに増えます。40歳代から見られます。色は、薄茶色から黒色まで様々で、顔や体、手など、手のひらや足の裏以外の全身のどこにでもできます。はじめはしみだったのに盛り上がってきた、などの自覚症状が多いです。盛り上がっているものは保険診療内で言いますと液体窒素療法で数回でとれます。自費診療で言いますと炭酸ガスレーザーやデルマトロンなどでとることになります。(当院では2024年現在で炭酸ガスレーザーの取り扱いはございません。)
みずいぼ(伝染性軟属腫)
軟属腫ウイルスによるウイルス感染症で、お子様に多くみられます。小さな結節をつくり、典型的なものは中央におへその様なくぼみが出来ます。数個であれば自分の免疫力で治ってしまうことも多いです。しかし摘除希望時や、10個以上ある場合、アトピーなどでかゆくてかきむしってしまっている場合、兄弟間でうつしあっているなどの場合、専用のピンセットで一つずつ摘除します(痛みを伴うため、ご希望があれば事前に局所麻酔のテープを貼ります)。ご希望の場合などは自費診療の塗り薬もありますのでお気軽に相談ください。
アクロコルドン・スキンタッグ・軟性線維腫(首やワキのイボ)
首やわきに中高年期にできるイボは、主に軟性線維腫と言われる皮膚の良性腫瘍です。放っておいても悪性変化はみられませんが、見た目や触った感触が気になる場合は治療の対象となります。大きくなると引っかかって血が出たり痛みがでたりします。
治療法は、液体窒素による凍結療法(保険診療)、塗り薬、電気メス・C O 2レーザーなどによる焼灼(自費診療)です。
青年性扁平疣贅
若い女性の顔面などに多数ぱらぱらと認めることが多いです。普通の肌色~薄い褐色の米粒大までくらいの小さな扁平のいぼです。保険診療で液体窒素でとることはできますが、もともとが薄い色だったのが治療中は(ときには治療後もずっと)色素沈着が起こるのでそこまでおすすめはしません。ヨクイニンの内服であったり、自費電気メス・C O 2レーザーなどによる焼灼が行われることが多いです。
尖圭コンジローマ
性行為による接触などで、ヒトパピローマウイルス(HPV)が感染すると外陰部や肛門周囲に先端がとがったカリフラワーのようないぼができます。20~30%の人は自然消退することがありますが、数が多く拡大している場合や性行為をする方は相手にうつしてしまうので治療が必要です。ベセルナクリームの塗布や液体窒素による凍結法、CO2 レーザーや電気メスによる焼灼、切除などの治療法があり、難治の場合などは組み合わせることもあります。ベセルナは週三回使用することが多いですが、かぶれやすいので医師と相談しながら外用法を決めます。性感染症すべてにいえることですが、本人が治癒しても、パートナーがHPV を保持しているかぎり、ずっと再感染のリスクがあるので、パートナーも受診し、症状があれば治療をすることが重要です。
いぼでお困りの際は相談してくださいね。