ほくろの除去
ほくろは母斑(ぼはん)とも言われ、皮膚の表面に見られる黒や茶色の良性の色素斑のことをさします。 医学的には「色素性母斑」とも呼ばれ、メラニン色素を作るメラノサイトという細胞が集まってできています。
ほくろは生まれつきある場合もあります。成長過程で徐々に現れることもあります。 通常は無害で問題はありませんが、まれに悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がんと呼ばれる皮膚がんの場合があります。ほくろが急に増えたり、炎症を起こして赤くなる、出血するなど変化があった場合は、基底細胞がんや悪性黒色腫の可能性があるので、早めに受診してください。
色や形、サイズに大幅な変化がある場合は医師の閲覧を受けることが推奨されます。
普通の良性のほくろと悪いものの鑑別方法としてABCDEルールというものがよく用いられます。
A:Asymmetry 病変が全体として左右上下対称であるか。良性のほくろは形がまるっときれいです。
B:Border irregularity 境界がギザギザしていたり、不規則でぼやけていないか。良性のほくろは境界がはっきりしています。
C:Color variegation 色が均一であるか。薄いところや濃いところがもやもやと混ざっていたり、一部が白く抜けていたり赤く見えるところがあるなど、複数の色が混ざっていないか。良性のほくろは黒か茶色の一色もしくは盛り上がったほくろの場合は色が薄くなります。
D:Diameter>6 mm 最も長い直径が6mmを超えていないか。6mm以下のものは良性のことが多いです。
E:Evolving(変化)形、色、大きさに変化がないか、潰瘍や出血をともなうなどの症状が随伴してきていないか
当院では皮膚科専門医がダーモスコピーなどの専門器具を使用し、診療にあたります。悪性が疑わしい、髭剃りなどでいつも出血するくらい膨らんでいる、などあれば保険診療の手術で取り除くことができます。大きさにもよりますが、だいたい3割負担で1万円くらいになります。
上のABCDE基準に全くあてはまらない小さくてきれいなほくろの除去については自費診療になります。レーザーや手術で除去が可能です。レーザーでの除去施術は再発するリスクはありますので、再発したくない・一回でとりたいという方はくりぬき法が傷跡も目立たなくておすすめです。
ほくろのことでお困りの場合はいつでも相談してくださいね。